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令和元年度第1回

梯子獅子の民俗学的考察 -愛知県知多・朝倉地区の伝承を中心に-

発表者 総合研究大学院大学 博士後期課程 牧野由佳

 獅子舞は、日本の中で最も数が多く、ポピュラーな民俗芸能である。各地に特色ある獅子舞が伝承されるなかで「梯子獅子」と呼称される、梯子や櫓状の構築物に昇って高所で曲芸を行う獅子舞芸がいくつかの地域に伝承されている。本発表では、まずその伝承地に注目し、中断している地域を含めて、太平洋沿岸部に集中していることを明らかにした。それらの梯子獅子については、各地域の自治体史や報告書等においてそれぞれに報告される程度であり、これまで総合的な研究はされてこなかった。本発表では、国内各地の梯子獅子を総合的に考察することによる、日本の民俗文化としての意義と、各地域の民俗文化としての意義や伝承の特質の解明を目標に据え、具体的な事例研究として、愛知県知多の牟山神社に奉納される「朝倉の梯子獅子」に関する考察を行った。朝倉では、青年組織が梯子獅子を伝承してきたが、大正から昭和初期に生まれた伝承者と、昭和中期以降に生まれた伝承者では、異なった信仰や継承者の資格を持つことを明らかにした。具体的には、神の存在・性別や、妻帯者が担い手となることができるかといった事柄に対して、世代間に大きな差異がみられ、そうした伝承の変化の社会的背景等を検討した。

近世、武州三峰山の一山組織の考察 -経済基盤としての神領と信仰圏に注目して-

発表者 國學院大學大学院・博士前期課程 川田大晶

 埼玉県秩父市に鎮座する「三峰神社」は、江戸時代には寺院としての一山組織が形成されていた。享保年間(1716~1736)には、「火伏・能族除け」の守護として、「三峰権現の眷属」を崇める信仰が形成されていたが、江戸をはじめとする関東・甲信地方の各地に、一年ごとに札の拝借を目的として三峰山への参詣を行う「三峰講中」が形成された。講中は、木箱に収められた「札」を拝借するが、この「札」は、三峰山の眷属であるオオカミとして信仰されていたことを明らかにした上で、三峰山参詣の実態について考察を行った。とりわけ、「参籠」と称する参詣者の境内での宿泊に着目し、その実態が、単なる祈願だけでなく、入湯や食膳を楽しむ、物見遊山的な側面を併せてもつ参拝であったことを明らかにした。



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最終更新日:2019年10月15日
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