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平成29年度第2回

岡山県旭川中流域の棒つかいについて~武術の影響と芸能の系譜に関する考察~

発表者 岡山民俗学会会員 大倉寿仁

 岡山県旭川中流域に多く分布する棒つかいについて考察 を行った。棒つかいは「宮棒」ともいい、主に秋祭におい て奉納される。全国的に見ると、獅子を制御し、警固棒な どの採り物を使って獅子舞とともに先祓い、キヨメの役割 を担う獅子あやしの一種である。「美作(垪和)へ行って 棒を振るな」という、武術が盛んな土地柄を背景として発 達し、伝承されてきた棒の芸能で、同地域内の旧垪和郷に 本拠地を置く武術竹内流を起源とするカタを取り入れた例 として貴重なものである。青年2名が対峙して六尺棒を打 ち合わせ、時には軽業的な所作、さらには滑稽な劇仕立て の芸態が見られる。
 本発表では、多様な演目の中に武術・散楽・演劇という 三要素が含まれていることを指摘した。今後は伝承経路の 緻密な調査とともに広域的な比較研究を行い、総合的に考 察していくべき課題である。

都市の社会問題に向き合う宗教者と支援活動─山谷のフィールドワークから考える現状と課題─

発表者 國學院大學博士前期課程 富澤明久

 本発表は、都市における宗教と社会福祉の歴史を近世か ら辿り、近現代の社会問題に関わる宗教者の支援活動につ いて、東京山谷地域で行ったフィールドワークに基づいて 考察した。
 キリスト教・仏教等、主に宗教者が関わる団体について、 発表者はボランティアとしても関わってきたが、活動の理 念や宗教者個人のパーソナリティから支援活動の特徴を整 理した。
 配食活動等の物的な支援は公的機関もある程度行ってい る。しかしながら、ステークホルダー(被支援者等、利害 関係者)にとって、死といかに向き合うかなど、精神面の ケアを宗教者等、民間が担う必要性、そこから新たな支援 のかたちを考える課題を指摘した。それとともに、日本の 伝統の信仰である神道や神社の、都市地域における新たな 時代の活動のありかたについても考察した。
 東京五輪・パラリンピックを2 年後に控える中、山谷も 開発予定地域となる可能性が高い。そこでの、被支援者の 行方等にも注目する必要性があり、宗教施設や宗教者が果 たす役割等、今後、引き続き調査、考察を進めたい。



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最終更新日:2019年6月25日
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