長崎における媽祖信仰~近世における清国・長崎の交易と近現代における信仰・祭祀の伝承~
発表者 国立歴史民俗博物館教授 松尾恒一
長崎は、鎖国時代でも、オランダ・中国との交易が行われ、このことによりヨーロッパ・中国の清代の文化が伝えられた。現在まで、春節、蛇踊り、ベーロン(龍舟競渡)等の歳時、民俗文化が伝承され、地域の文化の大きな特色ともなっている。本発表では、現在に伝承される媽祖信仰にもとづく行事や儀礼の歴史上の実態と、現代に伝承されている意義について考察した。
媽祖は、航海安全を約する女神で、唐船には媽祖が安置され、祭祀を受け、長崎においては、唐寺で媽祖祭祀が行われた。こうした信仰、祭祀が長崎においては、華僑によって伝えられている意義、クレオールの文化としての側面、国際関係の中での媽祖祭祀の様相について考察した。
こうした習俗は、中国における生活の都市化が地方にまで波及する現代、希薄化する傾向にあるが、民族のアイデンティティとしても大きな価値を有し、花瑶族自身が自覚、主導して継承してゆくための方法を考えるべきであることなども述べた。
現代の七五三の実態と意義の考察 -都内における調査を中心に-
発表者 國學院大學大学院特別研究員 田口祐子
(現代の七五三の実態と意義の考察について、田口祐子氏に発表いただいた)