しばらく休んでいた研究会が再開した。「儀礼文化研究会」は、儀礼文化に関わる様々な分野の研究者が、様々なテーマで研究発表を行い、討議をする場である。特に今後を担う若手研究者の発表の場として、大いに活用頂きたい会だといえよう。
復活第一回目の会は、こけら落とし的な意味合いを兼ねて、儀礼文化学会の前事務局長である飯塚好氏の発表となった。上梓されたばかりの『三頭立て獅子舞歴史と伝承』( おうふう刊)をもとに、三頭立て獅子舞(¬三匹獅子」とも呼ばれる)にっいての長年の研究成果をもとにした発表である。
膨大なデータを二時間で語るのは至難の業だが、地域毎の伝承の特色と、そこに伝えられる記録文書に的を絞って話された。後半には映像も用いられ、理解を深めることができた。
発表後の討議は、やや時間が短くなったが、鋭い質疑が交わされた。三頭立て獅子心上演時期(季節) の問題、文書に書かれた「狂い」にっいて等々、今後三頭立て獅子を考えてゆく上で重要な課題となろう。
(久保田裕道)