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しっとろと踊り |
―旧暦6月10日―
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しっとろと踊り1 |
しっとろと踊り2
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真夏の太陽の下、太平洋の荒波をデザインした浴衣を着た男たち数十人が「しっとろと」の囃子言葉を繰り返しながら、地区内各所を巡って軸になって踊る「しっとろと踊り」は、江戸時代から伝承されてきた豊漁祈願の踊りである。 古老によると「しっとろと」とは、「しっかり踊ろう」の意で、神への切実な願望が込められている。江戸時代、昔の手漕ぎ小船の近海漁では、旧暦六月の頃に不漁が続いた。そこで魚霊を慰め、豊漁を祈願して踊りが始まった。 真夏の早朝、まだ暗い頃に、集落の端にある元恵比須の祠前に鉦、太鼓が響き、踊りが始まる。踊りは海に沿って長く伸びた町の、あちこちで行われる。神社や寺、公民館、役場、漁業組合、銀行などで繰り返される。 昔は百数十か所も踊り場があり、日延べはよくない、と深夜遅くまで踊ったと聞いたが、今は三十二か所。日が沈む頃、大漁旗を並べた後免の恵比須神社で踊り納める。 踊り手は五色の色紙で飾った投網笠をかぶる。笠には手製のぬいぐるみの猿が何匹も結んである。猿は「難を去る」の祈りが込められているので、遠海へ漁に出る時、供が旅立つ時などに、無事を祈って手渡される。 朝から夕方まで熱心に取材した私にも踊り子の一人が無事を祈って、笠から一つちぎって手渡してくれた。一つの取材を終えて、次の取材に赴く身を小さな猿が守ってくれよう。 高知市はりまや橋よりバス2時間20分、室戸市元橋下車
高知県室戸市浮津 |
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