―6月2~7日― | |
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中之口を挟んで東軍から大凧があがり西軍もこれに続く
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旗を合図に各組凧糸を引き合う
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江戸時代中頃始まった凧合戦は、繰り返されるうちに様々なルールが決まり、伝統の大凧合戦として盛大に行われるようになった。 縦7メートル、横5メートル、畳24枚分の大凧が、描かれた勇壮な武者絵とともに地上からゆらりと空へ舞い上がる。中之口川の対岸からも、それっとばかりに同じ大きさの大凧が後を追う。両岸の大勢の見物人が歓声を上げて見守る。 舞い上がるのが目的でなく、けんかするために舞い上がった大凧は、空の散歩もほどほどに、近づいては離れ、離れては近づいて糸を絡め合う。ハッピ姿の威勢のいいリーダーが、自陣に向かって、「ひっぱれやー」と声を張り上げ、対岸の敵に向かっては、「この野郎ー」と怒鳴る。大凧の長いロープに老若男女、子どもも加わって、「ワッショイ、ワッショイ」と綱を引く。昔は麻綱が多かったが、今はクレモナロープ「化繊」が多いとか。 川面で大凧が互いに絡み合うと、両側から引っ張られ、たちまちバリバリと音を立てて砕け、白い火花が爆発、パキンと音高く糸が切れた。 「勝ったぞー」と一方の男たちが、万歳をして大喜び。片方は沈黙。期間中、舞い上がる大凧の数は数百枚。吹く風に慰められて再び挑戦する。 巻凧と呼ぶ六角凧は、大凧より一回り小さいが、けんか凧で、期間中千数百枚も用意され、凧合戦を華やかにする。 JR新潟駅下車、バス白根線で五の町下車(50分)
新潟県新潟市白根 写真と文章:渡辺良正 |