―8月14・15日―
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御道具太鼓橋
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太鼓台
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夏空に疫病退散の祈願を込めて勇壮な太鼓のリズムを響かせる下田の太鼓祭りは、例年、氏子町内から20台近くの太鼓台が祭りに参加する。それぞれ、各町自慢のシンボルともいうべき練り物を飾っている。 祭りは約400年前の元治元年(1615)、大坂夏の陣で功があった今村伝四郎正長公が、徳川家康公から下田奉行に任じられたとき、夏の疫病対戦を祈願して始めたといわれる。祭り囃子の勇壮さは大坂城へ攻め込んだとき、士気を鼓舞するために打った陣太鼓のリズムの名残からとの説がある。 神輿渡御にお供して「白虎」「青龍」「玄武」「朱雀」の四神をはじめ「榊」「鉾」「幟旗」など11基の四角な粋神輿が若者連に担がれて参加。道中、要所へくると、リーダーの掛声と拍子木を合図に気合鋭く力を合わせ空高く盛り上げる。これは「御道具太鼓橋」と呼ばれる。ギシギシと不気味な音を立てつつ上へ上へと盛り上がる見事な太鼓橋。緊張感のこもったこの作り物の出現に、周りで見物する人々も拍手を送る。見事な太鼓橋に神も感興をもよおし、豊作を約束してくれるとの伝承が残っている。若者たちの気が合わず失敗すると、橋は空中分解する。 初日午前10時、八幡神社の境内に各町の太鼓台が集合、神事が始まる。八幡神社を主神、牛頭天王を祀る八霊神社を従神として神輿が石段を下り、勇壮な太鼓の音を響かせて氏子町内を巡る。 夜、海岸で勢揃いした太鼓台の一斉演奏が披露される。曲目は「岡崎」「さんきり」「若竹」それに「たかどの」などである。続いて花火大会が夏祭りの空を彩る。 伊豆急下田駅下車徒歩5分
静岡県下田市 八幡神社 写真と文章:渡辺良正 |