―6月7日(第一日曜)― | |
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せっぺとべ1
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せっぺとべ2
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白衣姿の若者集団が、たっぷり水をまいた神社境内の一角やたっぷり水を張った新田で、せっぺとべとべ 白歯のうちに 白歯そめれば飛べやせぬ と唱和しながら思い切り飛び跳ね、全身泥まみれとなる。飛べば飛ぶほど豊作になると言う。 祭りは丘の上の日置八幡神社の神事に始まる。長さ十メートルもある唐竹にたくさんのシベを結んだ太い竹が石段を登ってくる。鉢巻に紺の絣の着物、たすき姿の少年たちが、笹竹や棒、鍬、尺八などを手に境内の祭場へ。それぞれ地区伝統の神事芸能を奉納する。いわゆる「笹踊」とか「虚無僧踊」「鎌踊」「棒踊」などである。踊は歌に始まって歌に終わる。楽器はない。古老のしぶい声が響く。 清めの雨は パラリと降り通る 文字にすると素朴すぎて簡単だが、一語一語を長く伸ばして節をつけるので、一曲に二分ほどかかる。 一通りの神事芸能の奉納、せっぺとべが終わると、田が広がる御旅所へと神輿渡御が始まる。大きな人形の「大王どん」も一緒に石段を下る。南国の強い陽射しのなか、シメを張った御旅所に神輿を奉安すると、豊作祈願の神事が始まる。再び少年たちの神事芸能が奉納され、シベ竹が立ち並ぶ水をたたえた神田で、若者集団がせっぺとべの歌を叫びながら思い切り泥まみれになり飛び跳ねる。 午後、伝統芸能の少年たちは、地区内の老人ホームを巡回。舞で慰労する。可愛い子らの懐かしい踊りに老人たちは感激。目をしばたいて拍手を送る。 JR鹿児島本線伊集院駅よりバス15分、下車後徒歩5分
鹿児島県日置市日吉町 |