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おしろい祭り

―12月2日―
オシロイもよくついて来年も豊作 神事が済み歓談の後、新米を溶かしたオシロイ塗りが始まる
オシロイもよくついて来年も豊作
神事が済み歓談の後、新米を溶かしたオシロイ塗りが始まる
 筑後平野の東端、山深い里での、四百年の伝統ある神事で、神の啓示を求める里人の古風な祭りである。
 杷木町は今は果物の町として知られ、柿、梨、葡萄の果樹園が広がり、生産が盛んである。しかし、大山祇神社の周辺は祭りの日でも人影が少なくひっそりとしており、二回目の取材の時は粉雪が舞った。
 当番の婦人たち数人が朝から忙しく働いて膳の準備をする。人参、牛蒡、豆、芋、蒟蒻、昆布、竹輪、干鰯など、これは私が目にしたものだが、大きな釜で飯を炊き、大きな押し寿司を作る。料理を皿に盛る。汁物も用意する。どぶろくもある。
 午後二時、村人たちが挨拶を交わしながら集まってくる。拝殿に並んで座ると、神主さんが祝詞奏上。五穀の豊作と村人の無病息災を祈願する。代表の玉串奉奠がある。
 神事が終わると、一同向き合って座り直し、膳が配られる。酒類も用意されている。ひとしきり賑やかな歓談が続く。ほどよく酔いがまわったところで、今年の新米を粉に溶かしたオシロイをボウルに入れて当番の男が現れる。
 祭りの主役の神主から始まる。広げた新聞の中央に穴を開けて首を通し、着物の汚れを防ぐ準備をすると顔にペタペタと手で塗り始める神主はにこにこしていたが、酒で火照る顔に冷たい米汁をつけられて、思わず悲鳴をあげる氏子もいて急に座が賑やかになる。よく化粧がつけば、来年は豊作という年占いである。
 膳のご馳走の残りは、ワラツトに入れて首に下げ、家族の土産に持ち帰る。顔の化粧は家まで落とさずに帰るのが昔からの作法で、新米の粉で作る化粧の汁は家畜に飲ませると病気しないと言われている。
大分自動車道杷木ICより約15分/久大本線筑後大石駅下車後タクシー
福岡県朝倉市杷木町




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最終更新日:2010年1月12日
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