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川俣の元服式
―1月第四土曜日―
 祝儀舞「三番叟」を格調高く舞う若者
「親子名付式」の儀式
 
 元服とは少年から成人への人生通過儀礼です。我国には古代からその風習がありました。
明治維新の文明開化で多くが消えてしまいましたが、川俣では、古来の伝統を守り、地区の人々の参加の下に、なごやかに元服式と祝宴が行われ、今では国指定重要無形民俗文化財です。
 「親子名付式」とも呼ばれるように、二十歳になった若者が、地区内の徳のある優れた人、夫婦揃った健康な人の中から名付親になってもらい、新しい名をもらって親子関係を結び、人間関係を固める儀式でもあります。
 川俣は鬼怒川の上流、ダムで出来た人造湖のへりに散在する50戸余りの集落です。東武線鬼怒川温泉駅からバスで一時間半。野生の猿が出没するという谷をバスが走る。公民館長は昔から美人が多いところと自慢しますが、積雪の季節はひっそりと静まります。集落の維持に村人は一層の団結の必要から、このような元服式が伝承されてきました。
 会場は自治公民館。大広間に子孫繁栄、長寿健康を祈り、さまざまな縁起物の料理が大皿に盛り上げられます。サクラエビ、ワカサギ、昆布巻、人参牛蒡のきんぴら、ゆで卵など。色も鮮やかです。
 「おめでとうございます」の挨拶が、各所で繰り返され、雄蝶、雌蝶と呼ばれる可愛い少年と少女の酌で親子固めの式が進められます。長老による「高砂」「四海波」の朗々たる謡。
 村人総出の祝宴の席で祝儀舞「三番叟」を若者が格調高く舞い、村人の繁栄を祈って恵比須、大黒舞が披露される。
東武線鬼怒川温泉駅から日光市営バス女夫渕温泉行き「川俣湖民宿村」下車徒歩8分
栃木県日光市川俣

Text & Photo by 渡辺良正


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