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大歳神社秋祭り

―11月第一土曜日―
「大江山に鬼退治」渡辺綱・坂田金時の武将に攻めたてられる鬼(撮影:渡辺良正) 「八幡」の舞 弓矢を持って鬼を射る(撮影:渡辺良正)
大江山に鬼退治」渡辺綱・坂田金時の武将に攻めたてられる鬼
「八幡」の舞 弓矢を持って鬼を射る
 広島市に注ぐ太田川の上流、谷沿いに長く伸びた村々では、秋から冬にかけて夜神楽が盛んになる。私が取材した1994年は、まだ筒賀村本郷であったが、今は合併して安芸太田町になっている。
 真下三郎氏の「広島県の神楽」によると、筒賀村の梶原神楽は伝統の古い神楽である。明治以降新しい演目を取り入れ、工夫を加え、趣向を凝らし、観客を楽しませ、今日に至っていると紹介してある。
 大歳神社秋祭りに夜を徹して奉納されるのが、梶原神楽である。何しろ演目が豊富で鬼神の仮面のオドロオドロシイ作り、金糸銀糸をふんだんに織り込んだきらびやかな装束が神楽に集う観客の目を楽しませてくれる。
 若い演者たちが大声でせりふを言い、力量いっぱいに舞台を跳びはね、パフォーマンスをくりひろげると笛の音が響き、大太鼓、平太鼓、手平鉦の楽がにぎやかにはやし立てる。人々にとっては一年に一度の華やいだ夜なのだ。
 夜十時半、拝殿での神事から祭りが始まり、続いて神楽が奉納されるが、氏子たちが大勢神楽見物に訪れる。
春来れば 木の芽が芽立つ 立つも春 まだおさなきは まきの若立て
 とまずは神楽歌。演目はどんどん進んで深夜になると、勇壮な剣劇「八幡」が始まる。若武者が剣舞しているのを幕間から鬼が顔をのぞかせ「いかなる神か」と問う。舞人が「我宇佐八幡なり」と答え、鬼との問答のあと大立ち回りとなり観客も興奮する。明け方、子どもたちが喜ぶ「ヤマタノオロチ」、舞台いっぱいに数匹の大蛇がとぐろを巻きスサノオノ命が長剣を振るって大活躍で幕を閉じる。
広島電鉄バス広島バスセンターから約2時間、安芸太田町役場下車
広島県山県郡安芸太田町本郷 大歳神社

写真と文章:渡辺良正



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最終更新日:2011年1月25日
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