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六郷のかまくら
―2月11〜15日―
各町ごとに雪宮がつくられ、鎌倉大明神が祀られ、祭壇にはスルメ、昆布、野菜に献酒などが並ぶ 南北に分かれて竹打ち
各町ごとに雪宮がつくられ、鎌倉大明神が祀られ、祭壇にはスルメ、昆布、野菜に献酒などが並ぶ 
南北に分かれて竹打ち 
 多彩な小正月行事が行われる秋田県。なかでも六郷のかまくらは古俗を良く残しており、国指定の重要無形民俗文化財である。
 初日は「蔵開き」、江戸時代、地主が蔵に灯明をともし、商家は土蔵の前に大福帳を供え、一年の繁栄を祈った。子どもたちは細く切った色紙に、様々な願い事を書いて長くつなぎ合わせ、竹に吊し、「天筆」を作る。
 十三日ごろからカマクラと呼ぶ、雪で固めた鳥小屋作りが始まる。子どもたちが中で餅を焼いたり、甘酒を楽しみ、古風な鳥追い歌を歌いつつ、近在の鳥小屋を訪ね合う。
 十五日は「竹打ち」。諏訪宮前の会場に、朝から地区の人々が正月の注連飾りや門松を持ち寄り、一対二本の松ニオが作られる。
 午後、各町ごとに力餅を搗く。日暮れごろ、あちこちで「ブオー、ブオー」とほら貝を吹く音が不気味に響く。顔をタオルで包み、ヘルメット姿の男たちが会場に集まってくる。長さ六メートル余りの竹が、例年五〇〇本ほど南北の陣に分けて用意されている。
 午後八時、サイレンを合図に男たちが雄叫びをあげ、同時に竹が動き、敵陣めがけて走り、打ち下ろされる。竹が打ち合う激しい音、喚声、見物人の声援、祭場はしばし騒然となる。二回の勝負のあと、松ニオに点火、その炎に照らされながら第三戦が行われる。結果、北が勝てば豊作、南が勝てば米価が上がるというので、両陣ともに力戦する。
大曲市バスターミナルよりバス20分、六郷上町下車
秋田県仙北郡美郷町六郷

Text & Photo by 渡辺良正




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