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祭りの秋〜会所のざわめき(川越まつり)



山車に上がった狩装束の太田道灌(写真:久保田裕道) 秋になると、各地で秋祭りが見られるようになる。中でも勇壮な山車を曳く祭りは多い。川越まつりは、そんな山車の祭りの中でも関東を代表するものと言えよう。もともと氷川神社の例大祭の行事だが、現在では、「川越まつり」として、10月14・15日の例大祭に続く第三土・日曜日に行われている。
 山車を曳き出す前夜、あるいはその朝になると、市内のあちこちに「会所」と呼ばれる地区ごとの詰所ができあがる。山車の祭りというのは、地区の人々が総出で手伝わなければうまくいかないところがあり、会所がその本部となるのである。また、会所の前に本来は、石灯籠やつくばいまで備えた本格的な前庭が作られたという。庭もまた、山車同様に神の寄りつく装置なのである。実際、会所の中には金屏風を立てた神座が設けられ、そこに幣束や人形、数々の供物が並べられている。かつて、祭りの前夜には町衆がこの会所に籠もり、翌日神を招く儀式を行った。神の降りた等身大よりやや大きな人形は、山車の頂点に飾られ、やがて市内を巡行してゆくのである。
六軒町会所(写真:久保田裕道)  ある会所では江戸期に作られたという猿の操り人形が飾られていた。この地区の山車は「山王」であり、猿はその使いである。人形の前には柿が山のように盛られていた。
 こうした会所の風情を眺めて歩くのも、一つの楽しみであろう。また、会所以外にも表の戸を開け放って親戚や地区の人をもてなす家が、あちらこちらに見受けられる。そうした家にも、小さな山車の模型が飾られていたりして、祭りに対する心意気が感じられるのである。

(埼玉県川越市)
Text & Photo by Hiromichi Kubota

(平成19年11〜12月のトップページの記事です)



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