トップページ>Index>夏を灯す明かり〜花藤の提灯 |
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![]() 東京の提灯は、日本の三大提灯の一つとして知られる水戸の「水府(すいふ)提灯」が主流を占める。問屋を介して卸されるその提灯に、客の求めに応じて文字を書き入れる、それが江戸の提灯屋の仕事なのである。 「だから、書道もやってますよ」 と、ご主人の桜井征郎さんは語る。 「でも、提灯の文字は書道のように書くのではなくて、まず縁取りを書いて、その中を塗っていくんです」 中に明かりを入れるものだから、黒ムラが出ないように均一に塗ることも重要である。文字の画数によって微妙に大きさを変えてバランスよく見せる技も、印刷ではできない芸当と言えよう。書かれた提灯は、最終的に組み上げられて商品となる。 「最近は、地方から古い提灯の修理を頼まれることも増えました」 とおっしゃる。なぜなら、地方の提灯職人がいなくなってしまったためである。 「提灯っていうのはね、破れたらおしまいではなくて、火袋(蛇腹の部分)だけ交換すればずっと使えるんです」 確かに提灯は実用品としての価値を失ってしまった道具でもある。 「でもね、やっぱり使えない道具は、偽物ですよ」 そうおっしゃる桜井さんのような職人がいるからこそ、提灯はその輝きを失わないのである。 (東京都台東区浅草「花藤」) Coverage cooperation by HANAFUJI Text & Photo by Hiromichi Kubota (平成19年8〜9月のトップページの記事です)
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